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April 26, 2006

本当に消費者の見方か?

某小売大手量販企業が酒税改正に伴って、新ジャンルの増税分をコスト削減で吸収し、販売価格は据置すると表明した。

いかにも消費者の味方をアピールする姿勢だが、本当に自らの肉を断つコスト削減なのかを見極める必要がある。要するに最終的にそのコストを誰が負担するのかが問題なのだ。

例えば、仕入れコスト削減、物流コスト削減と言えば聞こえはいいが、要するにバイイングパワーに物言わせて物流コストを納入業者へ転嫁したり、納価を引き下げさせることに繋がっているのが実態だ。こういった削減策そのものが量販企業の自助努力ではないと一概に否定はできないが、最終的にコスト削減分は小売が自ら負担するのではなく巧みに納入業者に転嫁されかねないことを指摘しておきたい。

酒税は徴税コストミニマムの原則から酒類メーカーが国へ納付しているが、そもそも飲酒する国民が負担すべき税金であって、酒の価格に内税として含まれているものである。ちなみに、これに消費税が二重課税になっていることは以前から再三吼えさせていただいている。
国民が支払った酒税は、小売から卸売、そしてメーカーへと代金の支払として商流を遡り、最後にメーカーが国へ税金を納付する。これが円滑に進むよう、途中で過当競争による倒産等による取りっぱぐれなどが発生しないよう、各段階が免許制によって規制されつつも一方で守られているのである。

ここで押さえるべきことは、酒税は決してまからないということだ。
特売になろうと、そこに内税として含まれている酒税金額は定価販売時と全く同額である。ということは、店頭における特売コストは税金以外の部分から賄われるワケで、流通段階が負担して実現している価格ということになる。

したがって、国税庁も4月4日に業界へ要請を出しているように、酒税増税分は適正に価格に反映して国民が負担すべきものであって、価格転嫁せずに据え置くことは税制に対する不遜な挑戦である。こういった本来の趣旨から外れたやり方は、どこかで不健全な皺寄せを生じさせるのだ。往々にしてそれは立場の弱いところに集中する。
こんな偽善に消費者は決して騙されてはいけない。

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April 15, 2006

快調な出だしです・・・が、

おかげ様で先週発売した「一番搾り生 無濾過」が好調に売れている。

今日の産経新聞にワインも高級品が売れ出しているという記事が出ていたが、ビール系飲料についても酒税格差を利用した発泡酒、そして新ジャンル(第3のビール)と低価格化の大きな流れから、プレミアムビールにも目が向くようになってきて、構成比こそ低いが伸びているカテゴリである。
昨年の新ジャンル商品の大ヒットもあり依然価格軸が中心であることに変わりないが、一方でビール、発泡酒、新ジャンルの比率が昨年の6月頃からほとんど変わらないことにも現れているように、お客様が価格以外の要素を商品選択のキーとしていることは明らかである。

プレミアムビールと言えば、残念ながら亭主の会社の商品ではなく某社エ×スがトップブランドなのだが、こちらのプレミアム商品の特徴は濾過をしないビールを冷蔵のまま店頭までお届けしている、即ち従来であればビール工場内でしか飲むことができないビールをお客様が気軽に飲めるようにしたところにユニークさと価値がある。

さて好調さと裏腹に残念ことは、まだこのカテゴリの構成比が低いことや、商品特性上賞味期限が通常のビール系商品に比べてかなり短い60日のために商品管理が通常のビール系商品より難しいということもあって、販売ノウハウが小売に蓄積されていないことだ。
亭主も発売後2回目の週末を迎える昨夜、近所の某スーパーに行ったが先週に引き続き棚は空だった。
売れるから減るのだがここまで空の状態が長く続いては、お客様にもお店にも、そして我々メーカーサイドにとっても様々なチャンスロスを招いており不幸なことだ。

「売り時」は何もチラシ投入時だけではないはずなのだが、どうもこういった「売り時」への感覚が鈍いことが気にかかる。
オーバーストアと言われて久しいが、競合を意識する時にチラシ売価だけに血眼になるのではなく、今回のような「売り時」を逃さないことを徹底できるかによって、売上だけでなく利益面、もっと言えばお客様の信頼感にとっても貢献度が大きいはずなのだが。。。
Muroka_1

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April 13, 2006

首位奪還報道に思う

第1四半期で亭主の会社が6年ぶりにシェア首位という記事が各社夕刊に載った。
亭主も主要5紙のインターネット版を拝見したが、ここでは毎日の記事が亭主の感覚に近いものがある。

今や、ビール、発泡酒、新ジャンル(俗に言う第3のビール)という3つのカテゴリからの集合体となったビール系飲料だけに、それぞれのカテゴリにおける強弱を踏まえた今後の展望が当然語られるべきと思ったが、結局触れていたのは毎日だけだった。その他は大半が単純にキ×ンVSア×ヒの対立の構図で興味本位のスタンスが多かった。
毎日の記事のとおり、亭主は間違いなく第2四半期以降はシェアの観点では競合の方が優位になる可能性を孕んでいると考えている。

ここ5年で亭主の会社のシェア観はかなり変わった。
シェアが目的でなく単なる結果になった。
他社がどういう動きをするかよりも、自らがやるべきことが出来ているかが一番の拠り所になった。
そんな中で営業は「売る」ことから「売れる」ことに知恵と労力を割くように視点が変わった。
亭主の会社にとっては、あくまでも大切なのはモノづくり、コト売りに安易な妥協をしないということだ。

繰り返しになるが第一四半期は単なる通過点でしかない。
やはりお客様の支持は競合に比べて多く頂戴したいのは当然のことだ。
この競争は永遠に続くものであるし、競合より半歩でもお客様に近づいていたいと思い、努力を続けていきたい。

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April 10, 2006

仮需予測の難しさ

4月もあっという間に上旬が終わった。
3月末にさり気なく酒税法改正案が可決され、5月1日からの酒類カテゴリの集約とカテゴリ間における税率の調整、即ち増税されるもの、減税されるもの、据え置かれるものが決まった。

さて、ここで5月1日から税率が上がるもの、所謂増税となるものの駆け込み需要、あるいは買い溜めによる仮需の行方が業界では取り沙汰されている。
特にボリュームからいっても影響が大きそうなのが雑酒の範疇であった新ジャンルカテゴリだ。
350ml缶1本あたり4円弱の増税だから、そのまま小売価格に反映されれば1ケース24本で100円弱程度の上げ幅になる。
果たしてこれくらいの上げ幅で買い溜めをするのかしないのか。
買い溜めするとすれば、どれくらい普段より多めに買おうとしているのか。
通常、ビールや発泡酒を飲んでいる人はどのように動くのだろうか。等々。

いずれにしても答えが予め解れば誰だって苦労しない。
事前調査をいくら実施したからといって、あくまでも「そうしたい」「そう思う」のレベルだから、現実に「こうする」という行動ベースとはズレが生じるのが常だ。

2年前の発泡酒増税時でも増税前最終日の夜7時のNHKニュースで「明日から酒税が上がる」と取り上げた途端に、平日にもかかわらず駆け込み需要がディスカウントストア等に急増して店頭欠品が相次いだと言われている。
いくら上がるかではなく、「上がる」という意識だけでお客様は動くという事実だ。
様々な事実から仮説を設定して仕掛けてみるしかないし、それをやりきれたかが結果として仮需の恩恵を最も被ることができるに違いない。

いずれにしても、いたずらな薄利多売で小手先に走ると骨折り損のくたびれもうけになりかねない。

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