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January 18, 2009

豆と麦

<アサヒ、大豆系ビールの生産から撤退へ>
産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/ 2009年1月18日

 アサヒビールは17日、主原料に麦芽を使わずに大豆などの穀物で代用するビール系飲料の生産から撤退する方針を明らかにした。

 ビール、発泡酒とは別の原料で作られる、こうしたビール系飲料は「第3のビール」と呼ばれる。景気の悪化で消費者の節約志向が強まり、価格の安い第3のビール全体の販売は拡大傾向を示している。その中で特に、麦芽を加えた商品が、「本物のビールに近い」と飛び抜けて売れ行きがいい。このため、アサヒは今年3月末までに大豆系の生産を順次中止し、第3のビールを麦芽系一本に絞ることにした。

 この販売戦略の見直しは、昨年のビール系飲料の販売実績に麦芽系とそれ以外の売り上げの差が顕著に表れたからだ。

 アサヒの平成20年の第3のビール全体の出荷量は前年比24・0%増の2386万ケース(1ケースは大瓶20本換算)。内訳は麦芽系が同69・1%増だったのに対し、麦芽を使わないタイプが同73・8%減と大幅に減った。

 同社は、このデータを重視。麦芽を使わない大豆系の「新生3」「ぐびなま。」の生産中止を決断し、「クリアアサヒ」など麦芽系に生産を絞った方が全体の売り上げが拡大すると判断した。


<アサヒ、「勝負は麦芽」で決断 キリンと差別化も狙い>
産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/ 2009年1月18日

 アサヒビールが、大豆系ビール飲料からの撤退を決めた背景には、第3のビール市場で、麦芽系が爆発的な人気商品になっている点がある。また、ビール系飲料全体のシェア争いを繰り広げているキリンビールと戦略の差別化を図ることで、第2位のキリンを一気に突き放す狙いも見え隠れする。

 平成20年のビール系飲料全体の出荷量は、ビール、発泡酒がそれぞれ前年を下回る一方、第3のビールは前年比13・8%増と大幅な伸びとなった。各社とも第3のビールは成長市場と位置づけており、21年も12~30%の伸びを見込む。第3のビール市場での勝敗がビール類全体のシェアを左右するとの判断は各社の共通認識になっている。

 そこで、第3のビールの新商品開発力や販売戦略が問われることになる。中でもビール愛飲者に支持された麦芽系が鍵を握る。麦芽系は第3のビールの構成比で、19年の約31%から20年に約46%までシェアを伸ばした。今年は半数を超える可能性も指摘されている。

 アサヒビールが同分野にいち早く経営資源を集約するのは勝ち残りのための素早い判断だ。昭和38年のビール事業参入以来、サッポロビールを抜いて初めてビール類全体でシェア3位に躍り出たサントリーも、麦芽系を強化し3位の座を固める。ヒット商品の「金麦」に加え、4月から新製品の「ザ・ストレート」を投入する。

 注目は第3のビール市場で約42%という圧倒的優位に立つキリンビールの動向だ。同社は、第3のビール市場では、大豆を主原料とする「のどごし」を主力商品にしているからだ。

 このキリンとの違いを明確にするアサヒの戦略が成功し、21年もビール類全体で9年連続シェアトップを達成できるかどうか。それとも、キリンが麦芽系を強化してシェアを伸ばすか。

 勝負の鍵は、安さと飲み応えを求める消費者の要求をどこまで満たすことができるかにかかっている。(佐藤克史)


<亭主の独り言>
前の記事を受けて、後の解説記事になっているようだ。
ビールガテゴリで圧倒的に強いが発泡酒、新ジャンルでは苦戦しているアサヒ社だからこそ、昨年から特に顕著となったビールから新ジャンルへの低価格商品への需要のシフトの流れに競合他社以上の危機感を抱いているのは当然の成り行きだと思う。

麦芽を使わないものが減って麦芽を使ったものが伸びている同社の数字は、市場全体で麦芽を使った商品の発売が多くなっていることにも起因するが、果たしてお客様もまたそれを望んでいるからこその比率が変化しているかどうかは簡単に言い切れるものではない。
例えば、この記者は麦芽を使っていない「のどごし」も昨年対比では大きく伸びたという事実をどう分析するのだろうか。

ビールとの比較をことさら強調する会社もあるが、それがお客様の多くが求めていることかどうか、亭主は首を傾げてしまう。
その商品自体がおいしいのかどうかをお客様が認識しているか、ここに商品がロングセラーになり得るかどうかのキーがあると思うのだが。
いずれにしても今年も序盤戦から縮小を続ける国内酒類市場の中で、厳しい競争が続くことは確かだ。

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