July 12, 2009

ルビコン川

日経ビジネスの最新号(7月13日号)で、イオンとセブン&アイ・ホールディングスがそれぞれ税金の安い、いわゆる“第3のビール”を7月下旬から発売、その製造元がどちらもサントリーということに関する記事が出た。

サントリーはPBではないという認識、一方のイオンはPBという認識というズレや、PBブランドを名乗っていながら、メーカーロゴも、また別にブランド名もついているなど、小売と製造での綱引きが激しかったに違いないと推している。
記事はいずれにしろ、ビール業界もついに小売主導のPBの世界へルビコン川を渡ったと結んでいる。

記事の通り、今回が果たしてルビコン川かどうか、実際に製造メーカー側が広報しているようにPBでないとすれば、製造原価は丸裸になっていないことになるが、PBブランド名が付いている以上、それなりに情報が開示された中で商品が設計されていることは恐らく間違いないと思う。

それでもNBと際立った価格差が付けられなかった理由が何か。
業界人なので察しがつく部分であるが、ここではなかなか言えない。
少なくとも、計らずも(もしかしたら図った部分があるのかもしれないが、)今回のチャレンジが今までのPBとは異なる展開になっていることは確かだ。

果たしてケースではNBとほぼ同じ価格が付いている場合があるというレベルのPBでお客様の選択はどう変化するか。
少なくともこれが総需要拡大や市場の大きな変動への起爆剤になることは難しいと感じる。

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June 29, 2009

プライベートブランド

<イオン、100円で第三のビールPB サントリーが製造>
日本経済新聞 http://www.nikkei.co.jp/ 2009年6月29日

 イオンは29日、プライベートブランド(PB=自主企画)「トップバリュ」に第三のビールを投入すると発表した。サントリーが製造し、7月末に発売。価格は350ミリリットル入りが100円、500ミリリットル入りが145円。消費者の節約志向の強まりに対応した。

<セブン&アイも第三のビールでPB 7月下旬に発売>
日本経済新聞 http://www.nikkei.co.jp/ 2009年6月29日 

 セブン&アイ・ホールディングスは29日、プライベートブランド(PB=自主企画)「セブンプレミアム」の第三のビール「THE BREW ノドごしスッキリ」を7月下旬に発売すると発表した。サントリー酒類が製造し、約1万2000店舗で販売する。350ミリリットル缶入りで、価格は1本なら123円、6缶パックは600円で販売する。
 コンビニエンスストアの「セブン―イレブン」では1本ずつ、スーパーマーケットの「イトーヨーカドー」「ヨークベニマル」などでは6缶パックで販売する。年換算で150万ケース(1ケースは24缶)の販売を目標にする。
 イオンも同日、350ミリリットル缶で100円の第三のビールをPBの「トップバリュ」から7月末に発売すると発表した。製造元は同じくサントリー酒類。


<亭主の独り言>
ライバル企業が計ったように相次いで発表した同じ国産大手メーカーによるプライベートブランド商品。
この件は亭主としても取り上げなければならない。

今までも限定発売商品といった形で実質的なプライベートブランド的な商品が無かったワケでなく、ここ1~2年ほどはむしろあちこちでそういった商品が価格訴求で販促の中心になっている小売企業もあった。
遡れば今から約20年前、オイルショックの時のダイエーのバーゲンブローがその先駆けであったと言える。

ただ、「安い」だけではお客様はそれなりにしか反応しなかったのも事実。
ナショナルブランドの売れ筋を目立たない位置に敢えて移して、一番目立つ位置でプライベートブランド的商品を全面的に販促強化した某小売企業の売り場も最近は微妙に変化してナショナルブランドがそれなりに目立つ位置に戻ってきた。

ただ今回は正真正銘のプライベートブランドであり、国産大手メーカーがついにそのフィールドに踏み込んだ商品だ。今までと違うお客様の反応が起こる可能性は大いにある。発売時にはそれこそナショナルブランドを上回る販売促進を大々的にかけるに違いない。

それぞれにメリットとデメリットがあるだろう。
何故、安さだけで大規模なお客様の嗜好の地殻変動が起きないのか?
ココがナショナルブランドの価値であり、プライベートブランドが簡単に席巻できないポイントだと思う。要するにモノだけの話では無いということだ。そのモノの背景に歴史があり、人生があり、関わるお客様それぞれに物語がある。

もう一つ、プライベートブランドに市場開発型商品はそれ程期待できない。
小売りが全量買い取りで販売し、ボリュームも含めてコストカットを狙うのだから、ある程度「売れると判っている商品」であることが必須だからだ。
しかし、ナショナルブランドと比べても遜色なく、大手小売企業が自信を持って、よりお手頃な価格で提供されるプライベート商品が、お客様にとって飲用機会のハードルを下げる価値があることも確かだ。

価格だけがクローズアップされて市場の縮小が物量以上に金額で加速されてしまうのではなく、それぞれの良さの相乗効果によって、より広いお客様がビール類を手に取る機会が増え、市場の拡大、再活性化される方向に動くことを願いたい。

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April 04, 2009

昔の名前が

<サッポロ、「焙煎生ビール」を限定復刻>
朝日新聞 http://www.asahi.com/ 2009年4月2日

 サッポロビールは、香ばしい味わいで92年にヒットした「サッポロ焙煎(ばいせん)生ビール」を復刻する。缶製品だけの数量限定。全国の主要コンビニで5月12日から発売する。税込み店頭価格は、350ml缶が215円前後、500ml缶が285円前後の見込み。

<亭主の独り言>
 今やビール類も清涼飲料並みに毎年新商品が発売されては消えていく。
 発売当初は売れていても競合商品との食い合いで勢いが落ち、販売量が一定数量を割り込めば生産効率が悪くなるし、さらにより売上を上げるためには新しい商品が必要で、それを作るためには商品ラインアップを見直して生産を止める商品も選ばなければならない。

 その中で亭主としても正直消えていくには惜しいと感じた商品は自社、他社問わずにある。

 今回の限定復刻がマーケティングの目算からか、新製品のネタ切れなのか、いずれにしても亭主にとっても懐かしい商品ではある。
お客様にとってよくぞと受け止められるか、今さらと軽く流されてしまうか・・・
Tky200904020304

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January 31, 2009

続・豆と麦

商品のパッケージや自社HPでも大々的に訴求し始めた。
時流感を作り出してトップブランドを陳腐化させたいという気持ちがハンパではないことがよく解る。

自らもメガブランドを有して競合他社から長年それをやられてきたのだから尚更だろう。

くどいようだが、結局はどちらがお客様の共感と支持を獲得できるかだ。

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January 18, 2009

豆と麦

<アサヒ、大豆系ビールの生産から撤退へ>
産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/ 2009年1月18日

 アサヒビールは17日、主原料に麦芽を使わずに大豆などの穀物で代用するビール系飲料の生産から撤退する方針を明らかにした。

 ビール、発泡酒とは別の原料で作られる、こうしたビール系飲料は「第3のビール」と呼ばれる。景気の悪化で消費者の節約志向が強まり、価格の安い第3のビール全体の販売は拡大傾向を示している。その中で特に、麦芽を加えた商品が、「本物のビールに近い」と飛び抜けて売れ行きがいい。このため、アサヒは今年3月末までに大豆系の生産を順次中止し、第3のビールを麦芽系一本に絞ることにした。

 この販売戦略の見直しは、昨年のビール系飲料の販売実績に麦芽系とそれ以外の売り上げの差が顕著に表れたからだ。

 アサヒの平成20年の第3のビール全体の出荷量は前年比24・0%増の2386万ケース(1ケースは大瓶20本換算)。内訳は麦芽系が同69・1%増だったのに対し、麦芽を使わないタイプが同73・8%減と大幅に減った。

 同社は、このデータを重視。麦芽を使わない大豆系の「新生3」「ぐびなま。」の生産中止を決断し、「クリアアサヒ」など麦芽系に生産を絞った方が全体の売り上げが拡大すると判断した。


<アサヒ、「勝負は麦芽」で決断 キリンと差別化も狙い>
産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/ 2009年1月18日

 アサヒビールが、大豆系ビール飲料からの撤退を決めた背景には、第3のビール市場で、麦芽系が爆発的な人気商品になっている点がある。また、ビール系飲料全体のシェア争いを繰り広げているキリンビールと戦略の差別化を図ることで、第2位のキリンを一気に突き放す狙いも見え隠れする。

 平成20年のビール系飲料全体の出荷量は、ビール、発泡酒がそれぞれ前年を下回る一方、第3のビールは前年比13・8%増と大幅な伸びとなった。各社とも第3のビールは成長市場と位置づけており、21年も12~30%の伸びを見込む。第3のビール市場での勝敗がビール類全体のシェアを左右するとの判断は各社の共通認識になっている。

 そこで、第3のビールの新商品開発力や販売戦略が問われることになる。中でもビール愛飲者に支持された麦芽系が鍵を握る。麦芽系は第3のビールの構成比で、19年の約31%から20年に約46%までシェアを伸ばした。今年は半数を超える可能性も指摘されている。

 アサヒビールが同分野にいち早く経営資源を集約するのは勝ち残りのための素早い判断だ。昭和38年のビール事業参入以来、サッポロビールを抜いて初めてビール類全体でシェア3位に躍り出たサントリーも、麦芽系を強化し3位の座を固める。ヒット商品の「金麦」に加え、4月から新製品の「ザ・ストレート」を投入する。

 注目は第3のビール市場で約42%という圧倒的優位に立つキリンビールの動向だ。同社は、第3のビール市場では、大豆を主原料とする「のどごし」を主力商品にしているからだ。

 このキリンとの違いを明確にするアサヒの戦略が成功し、21年もビール類全体で9年連続シェアトップを達成できるかどうか。それとも、キリンが麦芽系を強化してシェアを伸ばすか。

 勝負の鍵は、安さと飲み応えを求める消費者の要求をどこまで満たすことができるかにかかっている。(佐藤克史)


<亭主の独り言>
前の記事を受けて、後の解説記事になっているようだ。
ビールガテゴリで圧倒的に強いが発泡酒、新ジャンルでは苦戦しているアサヒ社だからこそ、昨年から特に顕著となったビールから新ジャンルへの低価格商品への需要のシフトの流れに競合他社以上の危機感を抱いているのは当然の成り行きだと思う。

麦芽を使わないものが減って麦芽を使ったものが伸びている同社の数字は、市場全体で麦芽を使った商品の発売が多くなっていることにも起因するが、果たしてお客様もまたそれを望んでいるからこその比率が変化しているかどうかは簡単に言い切れるものではない。
例えば、この記者は麦芽を使っていない「のどごし」も昨年対比では大きく伸びたという事実をどう分析するのだろうか。

ビールとの比較をことさら強調する会社もあるが、それがお客様の多くが求めていることかどうか、亭主は首を傾げてしまう。
その商品自体がおいしいのかどうかをお客様が認識しているか、ここに商品がロングセラーになり得るかどうかのキーがあると思うのだが。
いずれにしても今年も序盤戦から縮小を続ける国内酒類市場の中で、厳しい競争が続くことは確かだ。

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October 21, 2008

サッポロポテト?

<サッポロHD、スナック菓子に本格参入 ビール低迷で多角化>  日本経済新聞
NIKKEI NET  2008年10月20日16時01分

 サッポロホールディングス(HD)はスナック菓子事業に本格参入する。年内に群馬工場(群馬県太田市)に生産設備を新設。来年2月をメドにサッポロブランドでポテトチップスをコンビニエンスストアやスーパーで全国発売する。高齢化などが響いて主力のビール事業が縮小しており、食品を事業の柱に育てる。

 新商品はジャガイモを遠赤外線で焼いて作る日本では珍しいタイプ。油は味付けに限るため、油の使用量は100グラム当たり12グラムと、通常の揚げるタイプの半分以下という。想定価格は33グラム入り150円前後。同じ量のポテトチップスよりは割高だが、カロリーを抑え、健康志向に訴えることで、需要を開拓する。

<亭主の独り言>
大変だねぇ~・・・。
ビール工場の中に設備を新設するという意気込みとそうせざるを得ない内情があるんじゃないかと同業者として感じる。
ブランドはひょっとして「サッポロポテト」?
あれっ・・・どこかで聞いたことあるぞ。  ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

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December 22, 2007

大したことではないけれど・・・

最終的にはお客様が判断し、ジャッジを下すこと。

GreenlabelStylefree







どちらが先に市場に出たかなんてのは大した問題ではない。
店頭でもお客様は気づかなかったり、意識はしないのだろう。
各社から新商品が一杯出て、売場の冷蔵庫見てもシロトだとどれがどれやら解らないだろうなぁ・・・と思ったりする。

NodogoshiClearasahi

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September 24, 2007

みがき麦の効果

サッポロ社の発泡酒「生搾り」が「生搾り みがき麦」としてリニューアルされた。

発泡酒は麦芽比率25%未満のため、麦の旨さを補う様々な方法が各社とられている。大麦そのものを使ったのはキリンの「淡麗生」が最初だが、大麦はそのままでは堅い殻に覆われているのでなかなか旨みは引き出しにくい。

「淡麗生」はこれを細かく粉砕することで大麦の旨みを引き出したが、サッポロ社は日本酒と同じ発想で外側の殻を磨いて削ることで旨みを引き出そうとしたようだ。

穀物を削って磨く「吟」の発想は今から15,16年前に一時期流行ったようにも思うが、まあそれはそれとして、迂闊なオヤジは前の生搾りを買っておかなかったので、新旧飲み比べとはいかなかった。
旨みが増したのか、正直よく解らなかったが、パッケージのイメージはグっと洗練されたように感じる。
但し、「みがき麦」が果たしてお客様が共感する価値なのか、ちと疑問である。
Namasiborimigaki

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September 11, 2007

原点回帰を目指して

発泡酒の濃色系の2つを飲み比べてみた。

「円熟黒」は、K社のコク計発泡酒のブランドエクステンションで、通年販売品である。
「本生 クリアブラック」は、A社の発泡酒主力ブランドの同じくエクステンションであるが、秋だけの季節限定商品だ。

亭主にとって、久しぶりの「飲み比べ」。
今回は正直に言って、言葉で表せるような違いを感じる前に、のどが渇いていてゴクゴクと飲み始めてしまった。「飲み比べ」をしようという時に、味わうよりガツンと飲みたいと思っていてはダメだ・・・
まだまだ修業はやり直さなければ。

今回強いて言えば、「クリアブラック」の方がスッキリしていると感じた。
「円熟黒」は「円熟」ブランドの特徴であるコクがキッチリと主張している。

コク系の発泡酒は1年半前は明らかにニーズを突いた商品だったが、各社商品の乱立が却って各社商品の特徴を見え辛くしてしまっている。
結果として2つとも、地味にお客様を拾っている感じだ。

>>>ということで、閉店寸前のオンボロ「塵芥亭」だが、亭主としては何とか原点回帰を目指したいと考えている。
今後は、その時の自社・他社を問わずビール類の新商品について、亭主自ら飲んだ上で勝手な所感を書き込んでいきたい。

「塵芥亭」草創期、即ち非営業部門の頃はそれなりに冷静、ニュートラルに各社製品を見て吼えることができたように記憶しているのだが、それに比べると営業にドップリ浸っている今日、どうしても各社各商品をニュートラルな視点で見辛い部分があるのは確か。

しかし、可能な限り「お客様視点」を起点にニュートラルな視点で吼えていきたいと思う。
EjblackAhnblack

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November 12, 2006

競合商品

亭主のところの「円熟」を意識した商品であることは一目瞭然。
実際、店頭でもこれでもかと「円熟」の隣に商品を陳列している。

2つを並べて飲んでみる。
液体の色合いはパッケージデザイン同様に濃淡の違いがある。
色合いの違いの印象があるからか、少し「贅沢日和」の方が軽くて炭酸が強い印象を受ける。

それにしても「贅沢日和」と「金(ゴールド)」は味のイメージがダブる。
どちらも「リッチ酵母」だから?リッチ酵母にも違いがあるのかな?

いずれにしても発泡酒は限りなく本来のビールの味わいに近づいている。
もともと酒税の都合からの分類、これによって商品に限らず味わい、価格面も含めてお客様の選択肢が拡がったことは事実で、考えようでは日本の酒文化の一種の進化かもしれない。

でも、亭主は麦芽を使わないビール風飲料には個人的に未だ抵抗がある。
ZeitakuEnjuku_1


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